ちえの木の実の本棚
たくさんの物語に手をのばせる本の森のなかから、これぞ!という本を選りすぐった「ちえの木の実の本棚」を覗いてみてください。

ジャムねこさん
ある日、黒ねこのプーがおひるねをしていると、”いっしょうけんめいな”顔をした子ねこがやってきて、自分の背中をなめました。
「ああ、よかった。ジャムじゃないよ。
ぼくの せなかだよ、
お日さまの あじがするもの」
子ねこは、自分がジャムパンになって食べられてしまうのではないかと心配していたのです。
そういわれてみれば、白い体にあんず色の模様をもつ子ねこは、みみを落としてジャムをぬった、ふくふくの食パンにそっくり!
でも、ねこがジャムパンになったなんて話、聞いたことありませんよね。
ですからプーは、大きな目に涙をいっぱいためて心配する子ねこを、安心させようとします。
大丈夫だよ、きみはねこだよって。
いっしょけんめいねこらしくあろうとする子ねこと、愛おしそうに子ねこをなぐさめるプー。
この2ひきのやりとりがもう、ほんとうにかわいくて。
それから、登場する大人も魅力的なんです。
だって、ジャムパンが逃げてねこに化けたと言いはじめたのは、子ねこではなく、子どもでもなく、人間のおばあさんなんですから。
ジャムパン好きのおばあさんのことがもっと知りたくなったなら、『モモちゃんとプー』の「プーもてがみをかいて そして」を読んでみてください。
プーや子ねこ、そしてモモちゃんとも、たくさんあそべますよ。
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