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ちえの木の実

ちえの木の実の本棚

たくさんの物語に手をのばせる本の森のなかから、これぞ!という本を選りすぐった「ちえの木の実の本棚」を覗いてみてください。

おーい、こちら灯台

著者
ソフィー・ブラッコール/さく 山口文生/やく
出版年
2019年
出版社
評論社
定価
1,760円(税込)

世界のはてのちっちゃな島にぽつんと立つ灯台。
そこに、あたらしい灯台守がやってきます。
と、ここでわく疑問。
「とうだいもり、ってなんだろう?」

そう、この物語の舞台は、少し昔の、人が灯台をまもっていた時代。
灯台守は、毎日ゼンマイをまいて、ランプをともし、夜の海に光をおくりつづけます。

こんな海の果てでひとりっきりで暮らす灯台守の生活は孤独そう。
でもやがて奥さんも来て、子どもも生まれて……。
毎日表情を変える海と共に、ひとりの灯台守の人生がここで紡がれていきます。

昔、船で航海を続けている人々にとっては、灯台のあかりは本当に支えとなるものだったのだろうなあ。
物語の中でくりかえされる「おーい!……おーい!……おーい!おーい、こちら灯台!」
という言葉と共に、そんなことに想いをはせます。

ソフィー・ブラッコールの手によって描かれたこの世界は、海も灯台も人も、本当に美しく、温かく、何度読み返してもうっとりと見入ってしまいます。
この“どこでもない場所”にある灯台に、いつか行ってみたいなあ。

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