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10月のおすすめ本がが本棚に仲間入りしました

*10月のおすすめ本*

しとしと雨続きの秋のはじまり。台風もずんずんやってきて、ご機嫌ななめなお空を見上げてはため息の9月でした。こんな長雨だと、お米やお野菜は大丈夫だろうか、と心配になるくらい。その影響は、じわじわと実りの秋に出てきているようですね。
お日さまのありがたさが身にしみる今日このごろ。野菜が大活躍する絵本『やさいのおにたいじ』をご紹介します。

このところ、おそろしい「こんにゃくいも」の鬼が山から降りてきては、若い娘たちを連れ去っていました。お屋敷に住む「ひのなひめ」も、お供の「くわい」たちの必死の守りも叶わず、鬼に連れ去られてしまいます。
去らわれた娘たちを助けるため、知恵と勇気のある6人が鬼の住む東の山へと向かいます。
その6人とは、

 かたい かわを きた たけのこ
 かおりの いい まつたけ
 まんまるおなかの かもなす
 ふさふさあたまの みずな
 まっかな からだの きんときにんじん
 きのように ふとい ほりかわごぼう

なんだか聞きなれない野菜がありますね。
そう、このおはなしは京の都が舞台。鬼退治の伝説「酒呑童子」をもとに作られ、登場人物が京野菜になっています。
道中、橋を渡れず困っていた「ししがたにかぼちゃ」のおじいさんを助けました。
助けてくれたお礼に、とお酒をもらいます。
それは、いい人が呑むと力が湧き、悪い人が呑むとたちまち力が無くなる、という不思議なお酒。
きっと酒好きな鬼の役に立つはず、と。

鬼の屋敷に着いた6人。
次から次へと出てくる見張りの毒きのこや野菜たちを、ひらりひらりと軽妙にかわしながら、屋敷の奥へと進みます。
とうとう、鬼と対峙した「たけのこ」。
強さを見せつけるだけの鬼と、泰然自若な大将「たけのこ」の勝負は、なんとも痛快!
一目瞭然!二番手「みずな」のアシストはお見事!

はんなりとした京ことばと、表情豊かに描かれる京野菜たち。絵巻を思わせる場面展開のもと、何度も読んであらすじは分かっていても、ページをめくる度に心躍り、クスッと笑みが出てきます。
絵本を閉じた後も、美味しいものを食したときのような、ふくふく感で満たされます。
そんな余韻も味わってもらいたい一冊です。

(スタッフ 荒木)

書籍名:『やさいのおにたいじ』
出版社:福音館書店
著者:つるた ようこ/さく
出版年:2020年
定価:1,320円(税込)