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4月のおすすめ本②が本棚に仲間入りしました
*4月のおすすめ本②*
こんにちは。
爽やかな風がさわさわと頬をなで、初夏を想うころとなりましたね。
だんだん心地よい陽気が続き、暖かくなってくると、季節に合わせて、みずみずしいおはなしを読みたくなってきます。今回ご紹介するのは、アフリカの昔話。大平原で繰り広げられる、動物たちのやりとりに耳をすましてみましょう。
ずーっとずーっと昔のおはなしです。
その当時ダチョウは、今のように足は長いけれど、短いくびをしていました。
それはそれは、不自由なもの。想像してみてください。
地面に顔を近づけようにも、足を曲げたり思いっきり広げないと、獲物や水にありつけない。高い木の実を食べたくても、届きません。もどかしいですね。
そんなダチョウが、川で大きく足を広げて水を飲んでいると、ワニが声をかけてきました。
ひどく痛む虫歯を、ダチョウのくちばしで引っこぬいてほしい、と。
さあ、どうしよう。ワニは、あまり近づきたくない存在です。
でもワニは、切実なる叫びとともに「あたし、なにも わるいことは しないからさあ」、と。
ダチョウの心は、揺れます。
助けてあげようかな。
でも、やっぱり。
あぁ、ワニの泣き声が、あまりにかわいそうだから助けよう!
わるいことはしない、というワニの言葉を信じて、頭をワニの口の奥まで入れたそのときです!
ワニは とつぜん、けさは まだ あさごはんを たべていなかった
ことを おもいだしました。そこで、ガブッ!と、
あごを とじ、ダチョウの あたまを くわえました。
歯の痛さよりも食い気が勝ったワニを信じてしまったダチョウ。川へ引きずり込もうとするワニに対して逆方向に、必死でふんばって引っぱります。うしろへ下がるほどに、くびがぐいぐい、ぐいぐい、と伸びていって……。
ダチョウの長いくびは、この奮戦から生まれたのですね。
食うか食われるか、どうなってしまうのだろう、と息をするのも忘れてしまう場面がこのおはなしの見どころ。マーシャ・ブラウンは、どぎまぎする動物たちの表情を、伸びやかにはねるような線画で表現しています。ピーンと張りつめた空気のなか、軽やかなユーモアも感じ、まるで、読者も参戦しているかのよう。そして、おはなしのイメージに合わせて、画材や描法を変える作者の、この上ないものへの探究心や引き出しの多さに、感心します。
ページをめくるごとに、思わず、前のめりになるおはなしを覗いてみてくださいね。
(スタッフ 荒木)
書籍名:『ダチョウのくびはなぜながい?』アフリカのむかしばなし
出版社:冨山房
著者:ヴァーナ・アーダマ/文 マーシャ・ブラウン/絵 まつおかきょうこ/訳
出版年:1996年
定価:2,200円(税込)
