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4月のおすすめ本①が本棚に仲間入りしました
*4月のおすすめ本①*
こんにちは。
春を彩る桜の花びらは、冷たい雨や強い風で、すっかり舞い落ちてしまいましたね。
ピンクに黄色、白に赤……やさしい色の花々から春の歓びが伝わってきて、うきうきします。
季節の変わり目にはよく、いちごの絵本を、お店の子どもたちと読んでいます。
まっかないちごがページに現れると、どの子もにっこにこ! いちごのようなほっぺたに!
子どもから大人まで、世界中で愛されているいちご。
いちごをほおばる人の顔が、こんなにも“いいおかお”なのは、なぜでしょうね?
見るだけで顔がほころぶ、口に入れると笑顔の花が咲くいちごの絵本のなかで、とりわけ好きな『いちご』をご紹介します。
表紙からドーンとはみ出さんばかりの、まっかな、みずみずしいいちご。
パクリと一口で食べられる小さないちごは、大きな自然の産物なのです。
はじまりのページと、終わりのページは、灰赤一色に浮き上がる白い文字。
― 夕やみの中 すっかりいちごのなくなった畑から まだこんなに甘い香りが流れてくる。―
雪解け間近の土の中を表しているのか、はたまた、いちごの赤と甘い香りを引き立たせているのか。
このインパクトのあるはじまり方は、読み手の五感をふるわせます。
大地をつるが這い、葉がつややかに茂るなか、雪に覆われた大地の下で静かに眠るいちご。
光、風、雨の、自然の恵みをたっぷり浴びて、いちごは誕生します。
その一瞬一瞬を愛でるように、研ぎ澄まされたことばと絵で描かれるいちごの生命は、これまでの「かわいいいちご絵本」のイメージをガラリと変えてしまうほど。
それはまさに、宇宙の中の1つの惑星、なのです。
(いちごには北極と南極があるそう!)
「いちご礼賛」ともいえるこの絵本の作者は、風や水といった自然エネルギーで動く彫刻を作る、新宮晋さん。
水の惑星である地球の住人だから、風や水によって作品の動くさまに、地球が生み出すエネルギーを感じるのですね。
そんな新宮さんが、初めて手掛けた絵本が、この『いちご』。
いちごが、大好きなのだそうです! このスケールと迫力で、それがひしひしと伝わってきます。
「いちごには はてしない風景がある」と語るほど、恵み豊かないちごの大きな一粒を、じっくり味わってみませんか。
(スタッフ 武本)
書籍名:『いちご』
出版社:文化出版局
著者:新宮晋/作
出版年:1975年
定価:1,870円(税込)
