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書籍名 |
山のタンタラばあさん |
出版社 |
小学館 |
著者 |
安房 直子/作 出久根 育/絵 |
出版年 |
2006年 |
定価 |
1,600円+税 |
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ずっと東の、まあるい山のてっぺんの、タラの木のその下に一軒の家があって、 そこに、タンタラばあさんは住んでいるんだって。 動物たちは、みんなタンタラばあさんを知っていて、こういうんだって。 「おもしろい人だよ─。だって、あの人、魔法つかうんだもの」 小鳥に聞いても、うさぎに聞いても、くまに聞いても、 みーんな、そういうんだって。 きっとみんな、タンタラばあさんがだいすきなんだね。
ある時、うさぎがやってきて とても苦しんでいたしもやけのかゆみを、 薬を煎じて、(それとちょっとした魔法もね)直してあげたんだって。
それから、すっかり春になったとき、 よもぎをつんで、草もちの香りがするスカートを作って ついでに、レンゲの花で、うす桃いろのブラウスも作って 空をとんだんだって。これもすてきな魔法だね。 口笛を練習しているもみの木に、 ヒバリの先生を呼んであげたんだって。
それから、泣いてせがむたぬきの子に、 とっても大きなしゃぼん玉を作ってあげたりもしたことがあるんだって。
春を運んで、花の香りを呼んで、 たくさんの動物のみんなの声を聞いて、力になってあげて・・・ とてもあったかい心のタンタラばあさん。
今日はどこで、何をしているんだろうね。 この本をひらいたら、また会えるかな。 よもぎで作ったスカートはいて、おどってくれるかもしれないね。
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