雨あがりに、虹を見つけたこぐまのくんちゃん。
(まずは見返しのくんちゃんのお顔、見てください!窓の外のザーザー雨を見て、にっこにこ)
「みて! にじがでてるよ。」と嬉しそう。
小鳥がおしえてくれます。
にじのねもとには、きんのつまったつぼがうまっている、って。
さあ、お鍋をもって、にじのねっこ探し、そしてきんのつまったつぼを探しに出かけます。
ところが、おとうさんにおかあさん、道々で出会う動物たちは口をそろえて言うのです。
「あれは、ただの おとぎばなし」だと。
でも、だれになにを言われてもめげません。
きっとあるんだ、ぼくが見つけるんだ、とただただにじを追いかける姿に、こちらも声援をおくりたくなります。
探しに探しているうちに、消えてしまったにじ。
でもにじのかわりに、歩いて登って見つけたものとは……。
くんちゃんにとっての「きん」が、ちゃんとあったんです。
そしてそれは、なににもかえがたい、ほんとうの「きん」だったんです。
くんちゃんの「見たい・知りたい・やってみたい」は、それこそ「きん」の粉のように、いつもキラキラしています。
そんなくんちゃんの「今との出会い」を見逃さないよう、あたたかい眼差しで包むおとうさんとおかあさん。
そして小さな動物たちはおおらかに、ヒントだけをあげるのです。
道はまっすぐじゃなくても、どんなときだって、どうするか決めるのはくんちゃん。
だから、自分のペースで、自分のやり方で、答えにたどり着くことができるのでしょう。
わかる、という喜びもひとしおです。
くんちゃんは、にじのねっこ探し。
我が子は、にじの化石探し。
ふしぎな世界への歩みをとめず、納得のいくまで自分の中に物語をつくる姿に、大人の方が励まされてしまいます。
きっとその姿こそが、今、この瞬間を歩むものの生命力に見えるからです。
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