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書籍名 だごだご ころころ
出版社 福音館書店
著者 石黒I子・梶山俊夫/再話 梶山俊夫/絵
出版年 1993年
定価 1,210円(税込)

あ ら す じ

むかし むかし あるところに、
きのいい じいさんと ばあさんが おったと。

じいさんは、ばあさんの作るだんご(だご)が大好き。
大喜びでだんごを食べようとしたら、ぽろりっ、ころころころ……と転がっていってしまいます。
ばあさんが、待て待てと必死で追いかけた先は、川むこうの暗い穴のなかでした。
なんと、そこはあかおにの住処。
お腹がすいたあかおには、ばあさんの美味しそうなだんごが食べたくて食べたくて、だんごをここまで転がしてきたのでしょう。
早速、ばあさんに、少しの粉としゃもじを渡します。
このしゃもじは、ひとまぜするごとに量が増えるという不思議な力を持っています。

ばあさんが、だんごを山のように作った先から、あかおにが、ぺろりっと平らげていきます。
次の日も、また次の日もだんごを作る日々。
ばあさんは、だんだんじいさんが恋しくなってきて、ぽろりと涙を流します。
そのとき、あかとんぼがやってきて、じいさんの元に帰ってこられるようにあることをささやきました。

ばあさんは「よし、時がきた!」と、しゃもじを持って、あかおにが寝てる間に逃げだしました。
あかとんぼに導かれつつ、川までやってきましたが……。
ばあさんの美味しいだんごをいつまでも食べ続けたいという思いから、絶対に帰したくないあかおにに対し、「つかまってたまるものか!」と顔をまっかにしてふねを漕ぐあかとんぼたち。
ひと漕ぎごとに、がっぽがっぽと川の水を増やす、あのしゃもじ!
川で双方がせめぎ合う場面では、気がつくと私も物語の中に入り、参戦していました。
行かないでくれ、と切に願うあかおにの表情が、なんと人間味あふれていることでしょう。
そして、あかおにとばあさんの心の機微が読みとれる構図に、おもわずため息がでます。
このお話のとりこになるわけが、梶山俊夫さんの力強く生き生きと描かれた絵にあるのでしょうね。




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