よかったなあ 草や木が
ぼくらの まわりに いてくれて
目のさめる みどりの葉っぱ
美しいものの代表 花
かぐわしい 実
草や木、動物たちを、温かいまなざしとやさしい言葉でつむぐまどさんの詩は、心にじーんとしみわたります。
よかったなあ
という言葉をくりかえし声に出していると、その次に「ありがたいなあ」と、今生きていることに感謝の気持ちが出てきます。
そして、心がひなたぼっこをしているときのように、ポカポカとおだやかに。
不思議ですね。
そんな、まほうの言葉があるんですね!
日々あたりまえに通りすぎてしまう、自然。
どこか遠くへ行かなくても、街なかにそっと咲く小さなお花や草。
街路樹。
自然はどこにでもあるものですね。
そんなあたりまえのものが、まどさんの目を通すと、こんなにもキラキラと美しく楽しい世界だったのか!と気づかされます。
童謡「ぞうさん」や「いちねんせいになったら」の作詞もされた、まどさん。
『よかったなあ』に限らず、まどさんの作る詩は、なんでもない小さなしあわせがここにあるよ、と立ち止まらせてくれます。
そして、今この瞬間を、ぎゅっとしたくなるくらい愛おしくなり、春のにおいのする風を感じてみようとか、今宵美しい夜空を見上げてみよう、と私たちと共にある、いつもの自然にふれてみたくなるのです。
神羅万象すべて平等で、なにが勝っているということではなく、存在していること。
1つひとつが違っているからこそ素晴らしいんだよ、とやさしく語りかける詩と、あざやかな色彩で豊かな命を吹き込むあずみ虫さんの絵は、今まさに心を軽やかにしてくれるおまじないのような存在です。
みなさんも、ぜひ大きな声で読んでみてください!
ふっと心がやわらかくなるかもしれませんよ。
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