表紙には12枚の扉。
おやおや、木の扉や、障子や、竹の扉から、ひょっこり覗いているだれかさんの姿が。
これらは「こよみのいえ」で、かれらはひとりぼっちで暮らす住人なのです。
1月は、羽子板のお顔の1がつさん。
2月は、ゆきだるまの2がつさん。
3月は、ひな人形の3がつさん。
4月は……というふうに、各月代表のかわいい住人は、それぞれの扉の奥でさみしく暮らしていました。
お正月料理を揃えた1がつさんが気づきます。
「ひとりぼっちじゃ つまらない」
そして、こよみのいえの扉をノックして、2がつさんを誘うのです。
「とんとんとん あそぼじゃないか 2がつさん」
こうして、2がつさんも3がつさんを、4がつさんも5がつさんを誘って……
12ヵ月がたつ頃には、ごちそうもおしゃべりも増えてにぎにぎしいかぎり!
12人のふくふくとした笑顔がテーブルを囲います。
すっかりなかよくなった12人のおひっこし先は?
扉がたくさんついた、さいごの大きなページのお楽しみです。
扉の向こうをのぞくわくわく感、とんとんとんの小気味よいリズム、そして、日本に伝わる行事や文化をひと月ごとに目と耳で楽しめるしかけ。
まるで、玉手箱を開けたような喜びでいっぱいになる絵本です。
1年の締めくくりに、1年のはじまりに、またはお誕生月に、声に出して弾みながら読みたい1冊です。
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