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書籍名 はてしない物語
出版社 岩波書店
著者 ミヒャエル・エンデ/作 上田真而子・佐藤真理子/訳
出版年 1982年
定価 3,146円(税込)

あ ら す じ

少年バスチアンはある日、吸い寄せられるようにして運命の1冊に出会います。
その名も『はてしない物語』。
「これこそ夢にまで見たもの――けっして終わりにならない物語。本のなかの本!」舞台となっているファンタージェン国は、小人や巨人、人喰い鬼や妖精、ケンタウルスなど不思議な生き物たちの暮らすところ。
美しい国は、正体不明の「虚無」という現象に侵され、滅亡の危機に陥っていました。
その危機を救うために遣わされた少年アトレーユの冒険を、バスチアンは手に汗握りながら読み進めます。

アトレーユの行く道は険しく、数々の困難が待ち受けています。
そんな彼をそばで励ましてくれるのが相棒のフッフール、「幸いの竜」です。
フッフールは真珠貝色のうろこに覆われた、長くてしなやかな体で軽々と空を飛び、成すすべのない絶望的な状況に陥ったときも、決して希望を捨てません。
「まあ見ていてごらんなさい、今に何もかもうまくゆきますから。」とブロンズの鐘の音のような声で言うのです。
でも彼は能天気なわけでも、幸運を呼び寄せる魔法の力を持っているわけでもありません。
幸運が味方してくれることを強く信じながらも、様々なことに挑戦し、時には苦しみ、しかし決して諦めないのです。

生きていれば、きっと理不尽なことも、悲しいことも、大変なこともたくさんあるでしょう。
でも大いなる冒険の旅から帰還したフッフールに、澄んだルビー色の瞳でおちゃめにウィンクされたなら、なんだかうまくいくような気がしてしまうのです。

読者を元気づけてくれるのはフッフールだけではありません。
物語にはそもそも、人を根底で支えてくれるような力があります。
一度この本を手に取れば、きっと、読んでいるうちに本の中に入って行ってしまったバスチアンと共に、ファンタージェンを旅したくなるでしょう。
だって、ずっしりした単行本をケースから出してみると、あかがね色の表紙が顔を出し、それはバスチアンが読んでいる『はてしない物語』と全く同じデザインなんですもの!
初めて読む方、そしてまだ文庫本しか読んだことのない方は、ぜひ単行本を手に取ってみてくださいね。




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