子どものためのセレクト・ブックショップ ちえの木の実
「ちえの木の実」ロゴ
ちえの木の実とは
おすすめの本
木の実便
おもちゃ
店舗案内
Q&A
リンク
HOME
おすすめの本



書籍名 月の満ちかけ絵本
出版社 あすなろ書房
著者 大枝史郎/文 佐藤みき/絵
出版年 2012年
定価 1,540円(税込)

あ ら す じ

「あっ、お月様ー!」
子どもはお月様を見つけるのがとっても早いので、よくこう言って空を指さします。
昼間の白い月もすぐ見つけてくれるし、私自身、昔よりも空の月を気にかける機会が増えたように思います。

今、ちえの木の実にはウィンドウから特集棚まで、月の絵本がずら〜っと並んでいます。
こんなに月の絵本ってたくさんあるんだなあと驚いてしまうくらい。
太陽の絵本はこんなにたくさんないのに……。
どれだけお月様が愛されているかがわかりますね。
今年の中秋の名月は9月29日、あともう少しですよ。

今日は月の満ちかけをテーマにした絵本をご紹介します。

空に浮かんだ月を見て、「三日月もきれいだな」「ああ、昨日よりちょっと太ったな」なんて感じる瞬間があります。
そんな風に、誰の心にもお月様はいつもささやかな光を投げかけてくれているように思います。

『月の満ちかけ絵本』は新月から順に、月が満ちてまた欠けていくまでの29日半ひとめぐり(朔望月)を詳しく追った絵本です。

この絵本がおもしろいのは、月の科学的な側面だけではなく、昔の人がどんな風にお月様と向き合っていたかがわかること。
毎日形が変わるお月様にそれぞれ違う名前をつけて、お月様に望みを託していたみたい。
「繊月」「弓張月」「豆名月」「望月」「いざよいの月」……。
なんて美しい言葉を、日本人はお月様に名づけていたのでしょうね。
語りかけるような文体で、昔の人がそれぞれの名前にこめた想いを教えてくれます。

それは同時に、電気がなかったころ、どれだけ人々が月の光をたよりに暮らしていたかということに思いをはせることでもあります。
そして日々形を変える月が、カレンダーや時計がない時代に、人々の暦を知る拠り所になっていたというのもすんなりとわかるのです。

それぞれの名前にこめられた人々の想い。
忘れられずに、ずっと伝わっていってほしいなあと感じます。




■ バックナンバーはこちら

copyright(c)ちえの木の実,all rights reserved.