さあ、明日はピクニック!
ちいさなねずみのセレスティーヌと、くまのおじさんアーネストは、準備に大忙し。
はちみつサンドとチーズサンドを作り、ゆでたまごにバナナにリンゴ、大好きなハチミツは瓶ごと詰めて。
2人のわくわくする気持ちがたくさん詰まった、大きな大きな荷物ができあがります。
ところが、朝、目を覚ますとどしゃぶりの雨。
楽しみで楽しみで、小踊りするように自分の部屋から駆け下りてきたセレスティーヌは、肩をがっくり落としてしまいます。
でも大丈夫。
「きょうは とても いいてんきだっていう つもりに なるのさ」
「それで ピクニックに でかけるのね、わたしたち」
レインコートを着て、長靴をはいて、それから「いいお天気」の日には欠かせない日よけの帽子もちゃんと持って。
はじめはいいお天気の「つもり」になって、ピクニックを楽しんでいたセレスティーヌとアーネストですが、私には、2人がだんだんと雨そのものを楽しみはじめたように感じられます。
誰もいない広い原っぱをひとりじめして、テントの屋根や草木に当たるにぎやかな雨の音に耳を澄ます……。
その音を聞きながら飲む温かい紅茶は、きっと格別でしょうね。
あめのひのピクニック、またひとつ雨の楽しみ方が増えた気がします。
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