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書籍名 フランシスのいえで
出版社 好学社
著者 ラッセル・ホーバン/さく リリアン・ホーバン/え まつおかきょうこ/訳
出版年 1972年
定価 1,650円(税込)

あ ら す じ

絵本には、たいてい子どもが出てきます。
これまでたくさんたくさん、絵本の中の子どもと出会ってきましたが……。
この絵本の主人公、フランシスは、その中でも一番と言っていいくらい“子どもらしい”アナグマの女の子。
子ども100%!!
子どもとはこういう生き物です、と太鼓判を押したくなるような子なのです。

お父さん・お母さん・フランシス・それに最近生まれたばかりの妹のグローリアがいるフランシスの家族。
今日の夜はとっても静か。
フランシスはながしの下に座って、自分で作った歌を歌っています。
フランシスが「ああしたい・こうしたい」とおしゃべりすると、お父さんお母さんが優しくこたえてくれます。
でも次の日、ちょっとしたことが自分の思い通りにいかなかったフランシス。

「ふうん。このごろ、うちは いろんなことが おもうように いかなくなったのね。きる ふくは ないし、ほしぶどうは ないし。あたし、いえでしようかしら?」

学校に行って帰ってきて、ばんごはんの後に家出をはじめたフランシスですが……?

フランシスのお父さんお母さんの最高の対応策は、ぜひ絵本で読んでくださいね。

この絵本で描かれているのは、フランシスたちの生活。
ページを開くとその文章量に驚くかもしれませんが、ほとんどすべて家族の会話なのです。
そしてその会話のイキイキしていること!
本当に作者のお子さんがこういうことを言ったのかも?と想像してしまいます。

フランシスが、自分を出しきっているところがいいなあと思います。
そして、それを頭ごなしに否定せずゆったり受け止める両親も、いいなあ。
幸せな家族だなあと思います。
今でこそ、時代がずいぶん変わってきて、個性や多様性が尊重されるようになりました。
でも、20年30年前は”しつけ“とか“甘やかしちゃだめ”“いい子を育てなきゃ”という風潮が強かったのではないでしょうか。
そんな時代に発行されたこの絵本が長く読み継がれていることはうれしいことです。
フランシスがこれからもずっと愛され続けますように。
そして、フランシスみたいに、子どもが自分を思い切り出せる世の中であり続けますように。




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