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書籍名 カラフル
出版社 講談社
著者 森絵都
出版年 2011年
定価 1,650円(税込)

あ ら す じ

「おめでとうございます、抽選に当たりました!」
死んだはずの「ぼく」の魂は、突然天使にこう告げられ、再出発のチャンスを得ます。
下界で誰かの体を借りて生き、その間に前世で犯した過ちを思い出せば、正式にもう一度生まれ変わることができるというのです。
そしてこの一連の修行を、天使業界では「ホームステイ」と呼ぶそうです。
では「ぼく」は誰の体を借りることになったかというと、自ら命を絶った小林真(まこと)。
勉強は苦手で友だちゼロ、美術の時間だけを楽しみに生きていた、ちびでさえない中学3年生。
「ぼく」は、どうせ自分のものではないから、と真の貯金を惜しげもなく使ったり、クラスメイトに話しかけたり、内気な真らしくない行動をとってそのイメージを次々と壊していきます。
すると徐々に、真が思っていた周囲の人のイメージも、実際とは少し違うことに気がつきはじめます。
真のことをずっと見ていた同級生がいたり、薄汚いと思っていた両親の行動にも、真の知らない事情があったり……。
「ぼく」は思います。

真。やっぱりおまえ、早まったよ。
すべてが遅すぎるわけじゃない。
おまえが早まりすぎたんだ……。

私たちは、知っている、分かっていると思っていても、本当は何も分かっていないのかもしれません。
家族のことも、友だちのことも、それから自分のことも。
人生ってこんなもんだよね、とため息をつく前に、少し視点を変えてみませんか。
例えば、自分の人生を、ちょっと長めのホームステイだと考えてみる、とかね。




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