おにぎりは、みんなの人気者。
お弁当のおにぎり。
朝ごはんのおにぎり。 誰の心にも、思い出のおにぎりがあるのではないでしょうか。
食べ進まなくなった子どものごはんも、おにぎりにすればぱくぱく食べちゃいます。
丸や三角、俵型とどの形もかわいいですよね。
この絵本の主人公・万次郎さんも、ことし田んぼでたくさんとれたお米で、とびきりうまい、大きなおにぎりを作りました。
でもそのおにぎりたち、のりをまかれるのを待っている間にムズムズと動き出し、ぴょんぴょんと外へ飛び出していってしまいます。
「おてんとさまあ、いま いきますけん、まっていてくだされえ」
とさけんだおにぎりたちが向かった先は……?
ぜひこのおはなしを読んで確かめてみてくださいね。
この絵本をはじめて読んだときに不思議だったのは、1ページ目から、万次郎さんのことを自分も子どもも一気に好きになってしまったこと。
素朴でかわいらしさにあふれた北村人さんの絵と、作者の本田いづみさんの軽妙な語り口があいまって、万次郎さんの魅力的なキャラクターを作り出しているのでしょう。
「おてんとさまって、なに?」といっしょに読んでいた子どもに聞かれ、そういえばこんな素敵な言葉をちゃんと伝えられていなかったなあと気がつきました。
おてんとさまへの感謝にあふれた万次郎さんとおにぎりのお話。
私たちを生かしてくれている自然すべてに対して「ありがとう」の気持ちを大切にする日本人の心を、万次郎さんの背中から感じます。
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