最初のページを開いたとき、「なんてまぶしく、光があふれているのだろう」と感じました。
空、海、すべてのいのちの輝きが、読み手に降りそそぐのです。
子どもたちは、いつもなにかを待っています。
雨あがりを。
お祝いの日を。
月が出るのを。
この絵本には、今を生き、なにかを心待ちにしている子どもたちの姿が描かれています。
日常を丁寧に掬いあげた風景。
まるで静かに呼吸をしているようなことば。
その1つひとつをじっくりと味わっていると、自分が子どものころに待っていたものを、ふと思い出しました。
最後のページを開いたとき、胸にせまるものがありました。
きらきらとした明日が、未来が、待っているように思えるのです。
待つことは、信じることでもあるのではないでしょうか。
私たちが信じているから、望んでいることが起こるのかもしれません。
「待つ」ということの尊さ、美しさを感じる1冊です。 |