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書籍名 おかあさんの目
出版社 あかね書房
著者 あまんきみこ/作 くろいけん/絵
出版年 1988年
定価 1,430円(税込)

あ ら す じ

おかあさんのおひざで、おかあさんの話に耳を傾けているちいさなせつこ。
おかあさんの目をじいっと見て、声を聞いていたのでしょう。
せつこは、ふと、おかあさんの黒いひとみの中に、せつこ自身の姿を見つけました。
それからというもの、おかあさんの目を通して、たたみ、カーテン、窓、それからそれから……さまざまなものが見えてきました。

子どもって、おかあさんの目に「映る」ものを「入っている」ものと思うのですね。
おかあさんの目がこわれてしまわないか、痛くはないのか、心配にもなります。
「いいえ、ちっとも。」というおかあさん。
今度はおかあさんの目の中を、もっとじっと見るようにせつこに言います。

「うつくしいものに出会ったら、いっしょうけんめい見つめなさい。そうすると……」

このおかあさんの一言は、まだ幼いせつこにはピンとこないものでしたが、せつこの目にはっきりと大切な何かを宿したのではないでしょうか。
目に映るもの、そして、目に映すもの。
しっかりと見つめよう、心に焼きつけようという意思ひとつで、心の風景はふくらみはじめるのかもしれません。

子どもをひざにのせて、子どもと目を合わせる。
自分の目に映るものを、子どもに見せてあげる。
親子のあいだに、こんなふくよかな時間が訪れてほしい、といつもいつも願っています。




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