松谷みよ子さんの「モモちゃん」シリーズを読まれたことがある方は多いのではないでしょうか。
最初に『ちいさいモモちゃん』という幼年童話が出版されたのは、なんと1964年。
どれほど長く愛され続けているかがわかります。
シリーズの中に、ちいさな子向けの絵本があります。
ご紹介するのは中谷千代子さんの絵の『復刻版 ちいさいモモちゃん3 あめこんこん』です。
絵本に出てくるモモちゃんは2歳か3歳くらいでしょうか。 新しく買ってもらった、まっかなかさとまっかなながぐつが嬉しくてたまりません。
いいお天気なのに、かさとながぐつでお出かけしたがります。
(ちいさな子が、必ず一度は通る道ですよね。お天気の日にながぐつで歩いている子を見ると、あそこにもモモちゃんがいるわと微笑ましくなります。)
ママとの交渉の末、おにわでながぐつをはいて、かさをさして「あめふりごっこ」を始めたモモちゃん。
楽しいお歌を歌っていたら、次々に「いれて」って、仲間がやってきます。
さて、最後に来てくれた仲間は誰だったでしょう?
1歳前後の赤ちゃんでも、この絵本を一度読むと「こんこん!」と言って、繰り返し読んで読んでとせがみます。 モモちゃんのかわいいお歌も大好き、やってくる仲間の言う「いれて」という言葉のくりかえしも楽しいようです。
うららかな文章のリズムに、読んでいる大人の気持ちもゆったり、ふんわり。 親子で一緒にあめこんこんの歌を歌うのも楽しい時間なのです。
最後のところでは「モモちゃん、よかったね」と心がじんわりとあったかくなりますよ。
時代を超えても変わらない、小さな子どもの等身大の素直な姿を、愛情をこめたまなざしで描いているから、ずっと色あせない魅力があるのでしょう。 |