ふわふわと浮かんで、高いお空を飛んでみたいなあ。
子どもの頃、そんなふうに思ったことはありませんか?
私は小さな頃、空を飛ぶことにとっても憧れていました。
『おばあさんのひこうき』の主人公のおばあさんは、なんと、あみもので空飛ぶひこうきを作ってしまったのです!
町はずれに1人で住んでいるおばあさん。 町の人たちから頼まれるあみものの仕事をして暮らしています。
仕事がないときだって、毛糸をほどいては編みつづけるくらい、あみものが好きで好きでたまりません。
そんなおばあさんのもとへ、ある日1羽のちょうが舞いこんできました。
おばあさんは、ちょうの模様を編んでみようと、毎日朝から晩まで試行錯誤を重ねます。
すると……あみものに不思議なことが起こるのです。
大好きなことに没頭しているときの、ワクワク胸が高鳴る感じ。
夢中でのめりこんでいたら、いつのまにか高いハードルを乗り越えていたときの嬉しさ。
だれしも、そんな覚えがあるのではないでしょうか。
子どものように純粋なおばあさんの姿は、きらきらと輝いています。
まるで読み手の私たちも一緒にチャレンジしているかのように、ぐっと物語に引き込まれてしまうのです。
この物語は、お子さまの初めてのひとり読みにもぴったりの作品です。
私自身も、長女が小学生になってすぐにこの本を手渡しました。 お互いに少しずつ読み進めて、「ママはここまで読んだよ」「私はここまでだよ」と伝え合いながら読んだことを懐かしく思い出します。
パワフルなおばあさんからエネルギーをもらって、さあ、私も何か新しいことにチャレンジしなきゃ!と気持ちを新たにしています。
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