お熱があって、しかたなく休んでいなければならない1日。
ああつまらない……でもからだが火照ってなかなか寝つけない……
モウロウとしながらおふとんでお山を作っていると、どこからか陽気な声が聞こえてきます。
「ヨホレイホー」 「ヨーロロイホーー」
おふとんはいつのまにか雪山になっていて、あちらから、こちらから、こびとたちがやってきます。
焚き火で暖をとったり、ごちそうを囲んだり、踊りや音楽を楽しむ姿も。
それだけではありません。
雪山(おふとん)に降り積もった雪をふんだんに使って、「熱ノアル人ノ子ニ用フベキ装置」、その名も「熱サマシ機」を、こびとたちはせっせと作るのです。
熱にうなされて、見てしまった儚い夢だったのか。
回復しようと戦うちいさな子に、こびとが見せてくれた夢なのか。
まるで、お熱の日だけの「ごほうび」のようなこの本を、ぜひ枕元に。
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