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書籍名 ちいさなもみのき
出版社 福音館書店
著者 マーガレット・ワイズ・ブラウン/作 バーバラ・クーニー/絵 かみじょうゆみこ/訳
出版年 1993年
定価 1,100円+税

あ ら す じ

「ちいさなもみのきが、まだ ひとつぶの たねだったとき、あるひ、かぜにふかれて、たねは そらをとび、もりをこえ、のはらの つちのうえに おちました。」

ちいさなもみのきが生まれるところから、このお話ははじまります。
少しずつ大きくなっていく様子は、まるで赤ちゃんの誕生と成長を慈しむかのよう。
ちいさなもみのきは、じぶんだけ森から離れて野原に立っているのをさびしく感じ、だれかといっしょにいたい、と願っていました。
ある日、おとこの人がやってきて、ちいさなもみのきを連れて帰ります。

「おまえは これから、すばらしいおいわいに いくんだよ。」

もみのきは、この人の息子であるちいさな男の子のもとで、ふしぎなかがやきをはなつクリスマスツリーになりました!
お父さんの、息子ともみのきへかける愛情や、男の子ともみのきの間に生まれた絆に感動をもらいます。
自分にも、幼少期を一緒に過ごした、パートナーのような存在のものがあったことを懐かしく思い出しながら……。

ワイズ・ブラウンの描きだす、ささやかであたたかいクリスマスの情景と、クーニーの素朴で美しい絵が響きあいます。
一言一言かみしめたくなるような日本語訳も素敵です。

この本を読むといつも、親しい人たちと集ってお祝いの日を過ごすことが、こんなにも人の心にあかりをともしてくれるのだなあ、と胸がいっぱいになります。

読み終えた後に、子どもと「わあ、楽しかったね!」とわいわい語り合う本もありますが、この本を読んだ後にはいつも、お互い満たされた気持ちになって、そっと静かに余韻を味わいます。
そんな時間を過ごせるクリスマスの絵本です。




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