チュローチュは、どこへ行っても、誰に対しても、知恵を使っていたずらをします。
(「知恵」と言っても、自分が得をし、相手には嫌な想いをさせる「悪知恵」のようですが)
ある時は、おじいさんとおばあさんの畑のバナナを全部食べ、またある時は、川岸にいるわにに食べられそうになりながらも、知恵比べに勝って難を逃れます。
知恵を使えば、誰も自分にはかなわない、と、得意になっているうさぎなのです。
お話のほとんどは、チュローチュがいたずらをしているところが描かれているのですが、最後に、チュローチュの今までの考えや言動が大きく変わっていく出会いがあります。
いたずらをたっぷり味わったあとに読む、このラストの場面は、1度読んだらずっと心に残るでしょう。
読むたびに、本当の意味での知恵の使い方とはなんだろう、と考えさせられます。
もしかしたら、「自分が知っていることを、相手に恵む」ということなのかもしれません。
表紙のチュローチュの表情と、最後のページのチュローチュの表情を、ぜひ見比べてみてください。
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