「この森でもなければ その森でもない あの森でもなければ どの森でもない こそあどの森」
でつむがれる物語。現在、全12冊がシリーズで出版されています。
『ふしぎな木の実の料理法』はその第1作目です。
物語の主人公は、スキッパーという男の子。
ほとんど人と関わらず、笑うこともあまりなく、ウニマルという家で本を読んだり標本を見たりして過ごしています。
そんなスキッパーのところへ、外国へ出張中の博物学者のおばさん・バーバさんからポアポアというふしぎな木の実が送られてきたのですが……。
まさかのハプニングで、ポアポアの調理の仕方が書かれたバーバさんの手紙が読めなくなってしまいました!
調理法を調べるために、スキッパーがしぶしぶこそあどの森の住人1人ひとりを訪ねはじめるところから、物語が動き出します。
スキッパーが出会う、こそあどの森の個性豊かな(豊かすぎる!と言ってもいい)住人たち。
皆にふりまわされつつも、少しずつスキッパーは心を開いていきます。
大好きな人たちと一緒に過ごすことは、たのしいこと。
そして、その幸せな気持ちのまま過ごす、自分ひとりの時間もまた、すてきなこと。
そんなシンプルなことが、読んでいると伝わってきてうれしくなります。
物語を読み終えるときには、こそあどの森の住人たちが大好きになり、この森に住みたくなってしまうことでしょう。
そしてシリーズを読み進めていくうちに、自分の心の中にいつでも行かれる「こそあどの森」があることに気がつくのです。
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