ふらいぱんじいさんは、めだまやきを焼く名人。
おくさんが新しいめだまやきなべを買ってきたので、かわいそうにお役目終了です。
「よし、でかけよう。あたらしい せかいで、だれかが わしを まっているかもしれない」
広い世界へ旅に出たら?と、ごきぶり(ナイス!)に背中を押されて出たのがこの言葉でした。
外の世界に出たのはいいけれど、まっくろでまるい姿を不思議がる動物たち。
でも、ジャングル、砂漠、海……未知の世界で、ふらいぱんじいさんはもう泣いていません。
たとえ家に帰ることはなくても、自分の役目と居場所が見つかったならば、ふらいぱんじいさんのように、そして、おひさんのように、笑っていられるのかもしれません。
「前と同じ」でなくてもいい。これからも、きっと、もっといい。
そんな声が、おじいさんの鼻歌のように、聞こえてきませんか?
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