ちいさな1は、杖みたいでやせっぽちな一本の線です。
足も頭の上の帽子もちっぽけで、飛んだり跳ねたりすることもできますが、いつもひとりぼっちであんまり楽しくありません。
そこで、仲間に入れてもらい、一緒に遊んでもらおうと、様々な場所へ出かけていきます。
2個の梨、3頭のぬいぐるみのくま、4匹のハチ、5本の傘、6匹のアリ、7匹のねずみ、8冊の本、9匹の金魚…
誰に話しかけても、みんな窮屈がって仲間に入れてくれず、遊ぼうとしてくれません。
ちいさな1がうなだれて家へ向かおうとしていた時、そこにやってきたのは…?
ちいさな1は、自分のことを「ただの1」だと思っていて、この「ただの」という言葉は複数回出てきます。
しかし、思わず笑顔になるラストが、私たちはみんなかけがえのない存在であることに気づかせてくれます。
自分はひとりぼっちではないこと、自分らしくいられる場所や仲間がどこかにいることを感じさせてくれる絵本です。 |