本が大好きな女の子・エミリーは、ある日学校の先生に“不思議な物語がいっぱい入っている本”を借ります。
その晩さっそく借りた本を開いたエミリーですが、最後のページにたどりついたときには、悲しい気持ちになっていました。
なぜなら借りた本には言葉が一つも載っていなかったのです。
これでは物語を楽しむことができないと言葉をこぼすエミリーに、小さなささやき声が聞こえました。
ささやき声は、絵を眺めてエミリーだけの物語を自由に想像してほしいと告げます。
その言葉に背を押されるように、エミリーはもう一度最初からページをめくり始めました。
そうしてたくさんの絵を見るたびにエミリーは物語をつくっていき…。
パメラ・ザガレンスキーさんの美しく幻想的な絵とエミリーが紡ぐ物語には、読んでいる私たちの想像をも広げられていきます。
わたしだけの物語を作った後には、誰かの“わたしだけの物語”も聞きたくなる、魅力的な絵本です。 |