めんどりのロージーが散歩に出かけます。
小屋を出て、さぁ出発……でも、その後ろから、こっそりこっそり、めんどりを狙うキツネがついてきています!
ところが、めんどりは何も気づかずお散歩へ。
庭を通って、お池をまわり、ほし草の山を越え、粉ひき小屋を通り過ぎ……すたすたと、すいすいと、それはそれは快適なお散歩です。
一方、めんどりを狙うキツネはたいへん!!
めんどりばかりに気をとられて、庭のそばで踏んだ熊手に鼻を打ちつけ、池のところで勇んでめんどりに襲いかかるものの、みごと池に落ちて、ほし草の山にはつっこむし、粉ひき小屋の前では粉だらけ。
あげくの果てに、うっかり飛び乗った荷車ごと蜂を怒らせ、大群に追いかけられて……。
とてもシンプルな文章に、キツネのことはひとつも語られていません。
それは、作者ならではの絵に、明るく楽しく豊かに物語られています。
コミカル、かつ緻密に創りあげられた、この絵本のめんどりのように、難事をものともせず、確かな足どりで皆さまが歩んでいかれますように。
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