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書籍名 赤ちゃんのはなし
出版社 福音館書店
著者 マリー・ホール・エッツ/文・絵 坪井郁美/訳
出版年 1982年
定価 1,500円+税

あ ら す じ

さかのぼること、数十年前。
誰もが、小さなちいさな赤ちゃんでした。
その命は、元気に生まれ来て、たくさんの人に慈しまれて大きくなり、多くを越えて大人になり……。

生まれる前まで思いが届く、鉛筆で丹念に描かれた、生命科学の絵本です。

命のいちばんはじめは、さらさらの塩のひと粒より、浜辺の砂のひと粒より、もっと小さなものでした。
やがて、別の命のもとに出逢い、小さな卵となり、約10ヶ月の間を過ごす宮へ落ち着きます。

卵は姿を変えながら、水をたたえた中に、そのたいせつな命を抱きます。

体をつくるあらゆるものの元(細胞)は、押し合いへし合いしながら形を変えて増えていき、3週間ほどすると、この本に書かれたコンマの大きさほどに。

心臓が鼓動を始め、頭が形成され、腕や足が芽生える頃には、小豆の粒ほどになり、8週を迎える頃には、ソラマメほどの大きさになります。
手足の指ができあがり、お顔ができ、へその緒が大活躍し、骨もしっかりしてきます。

3、4、5、6ヶ月。
胎児は著しく成長していきます。
宮の外、お母さんの周りでは大騒ぎです。
性別は?名前は?おくるみは?

7ヶ月が過ぎる頃、お父さんの靴くらいの大きさになります。
眉毛、まつ毛、髪の毛が生え、まだ小さく弱くても、体のすべての器官が整います。

8ヶ月、9ヶ月。
体はさらに大きくつよく育ち、10ヶ月。
充分に育ち、時が満ちました。

陣痛の謎は、この時代になっても、いまだ解明されない部分が多いようですが、不思議とそれは始まり、命はこの世界に生まれでるのです。

自分という命をはじめに抱いたのは、母その人でした。
その命に、はじめに手を触れたのは、産婆さん・助産師といわれる人や、お医者さまだったでしょう。

その手をはじめに握ったのは、その頬にはじめに触れたのは、その全部を包み、そっとそっと抱きしめたのは、誰だったでしょうか。

今その命は、日々をたいせつに、地をしっかり踏みしめて、生きていることでしょう。
きっと、笑顔で。




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