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書籍名 |
サトウハチロー・いわさきちひろ詩画集 おかあさん |
出版社 |
講談社 |
著者 |
サトウハチロー/作 いわさきちひろ/絵 |
出版年 |
1989年 |
定価 |
1,200円+税 |
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童謡に、「おかあさん」という歌がある。 この曲の一番目は、こんな歌詞である。
おかあさん なあに おかあさんっていいにおい せんたくしていたにおいでしょ しゃぼんのあわのにおいでしょ
この母子の会話で構成された歌詞、それがメロディにのせられると、 何とも言えない、やさしい、すてきな歌になる。
−お母さんのにおい。 それは時に、しゃぼんのにおいであったり、 ひなたのにおいであったり、 お料理のにおいであったりするが、 いつも変わらないのは、“おかあさんって いいにおい”である、ということ。
サトウハチローさんの生みだす“おかあさん”についての詩は、 まさにその童謡のように、あたたかく、やさしいもので満たされている。
たとえば、「おめめが さめれば かあさん」を読んで思うことは、
嬉しいことや、悲しいことがあったり、 また誰かとけんかをしたとき、ケガをしたとき、 一番はじめに呼んだのは、そういえばいつもおかあさんだった、ということだ。 この本の嬉しいところは、 思い起こせば確かにそうだったかもしれない、と 誰もが頷いてしまえるような普遍的なものが、 素直に表現されているところ。
詩人サトウハチローが、“母と子”を詠った詩は、400編近くにまでのぼるという。 そして、その中から丁寧に選んで取り出したものが、本書となる。 いわさきちひろさんの繊細でやさしい絵をながめつつ、 “おかあさん”に、浸れる一冊である。 |
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