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書籍名 星のふる夜に When Stardust Falls……
出版社 冨山房
著者 千住 博/作
出版年 1994年
定価 2,750円(税込)

あ ら す じ

深い森の川辺に佇む、シカの家族。
立派なツノですっくと立っているのが、お父さんでしょうか。
子ジカを守るように見ているのが、お母さんでしょうか。
目の前に広がる未知なる世界に、目を輝かせている(ように見える)子ジカは、ひとすじの光にその目を奪われます。

流れ星を追いかけながら、ふらりふらりと歩みは進み、気がつくとひとりぼっち。
満点の星空が、もうひとつ、自分の足元にも広がっています。
もう、どちらが空か、どちらが川面か、わからなくなってしまうほどの、鏡のような世界に迷いこんだ子ジカ。
とうとう、ネオンの輝く見知らぬ街で、また星のような煌めきを見つけることに。

右のページには、子ジカの姿と、子ジカの見ている景色が。
左のページには、子ジカの足跡をたどる地図と、なんの説明もどんな言葉もいらないと思わせてしまうほど大きな余白が。
足早に進んだ跡、曲がりくねって迷った跡、とぼとぼ寂しく歩いた跡……まるで心の動きがそのまま足跡となっているようです。
そして、ページをいったりきたりしながら、星の配置と川の流れを見ていると、ふわっと天の川が浮かび上がってくるのです。(裏表紙を眺めてください)

こと座のベガ、夏の大三角形、アンドロメダ、カシオペア……。
文字も言葉もないからか、不思議と「星めぐりの歌」が心に響いてくるよう。
子ジカの足跡の行方と、空が白んでゆく美しさは、この絵本を開いた方のみ知ることができます。
日本画家、千住博さんが、我が子に最初に見せる絵本として描かれた思いが、星屑のように散りばめられた絵本です。




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