よるのおさんぽにでかける、よっちゃんとおじいちゃん。
たくさんの紫陽花が咲きほこり、虫たちがページの中を行き交います。
歩いていくうちに、だんだんだんだん、そらの色が変わっていきます。
たどり着いたのは、田んぼ。
そこで待っていたのは6月のよるだけに起きる、特別なプレゼントのような出来事でした。
初夏の草むらの、むんとしたにおいが本当にしてくるよう。
昔、こんなにおいをかいだことが確かにあったなあ。
たけがみたえさんの版画ならではの、迫力満点なのだけれど、どこかユーモラスな絵がこの本の醍醐味。
ぜひ、読むだけではなく、全身で絵を感じて、味わってほしいです。
何より美しいのはページを彩る色たち。
最後の数ページは、夏が来る前の、よるになりかけのあの空の色の下に自分が立っているような気がするほど引き込まれていきます。
「だんだん だんだん」と親子で声をそろえて読みながら楽しんでほしい絵本です。
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