今日は、森に暮らすヤマドリタケのおじいさんのたんじょうび。
長く細い足がじまんのナラタケたちが、おきゃくさん集めをはじめます。
トウヒのまつかさは、はきそうじをするお掃除当番。
カラハツタケは、パイやジュースなどのお料理当番。
森のあちこちから、きのこたちがぞくぞくとやってきました。
にぎやかな宴に、おおにこにこのきのこたちです。
でもそこに、フォトジェニックな赤い帽子のベニテングタケと、まっしろい帽子のドクツルタケの姿が。
招かれざる客は、実は毒きのこだったのです……。
巻末にはきのこ博士のていねいな解説があり、きのこへの理解がぐっと深まります。
魅惑的な美しさを放つ毒きのこに惹きつけられるように、愛らしいマーヴリナのきのこ画に手が伸びてしまう。
人間が口に入れなければ害はない毒きのこたち、生態系には必要な存在のすべてのきのこたち。
森には森の、人間には人間の生活があって、こんなふうに絵本の中で行き来できる楽しさを満喫できます。
耳におもしろく響くきのこの名前、読み終わったあとはスラスラいえる喜びも味わえますよ。
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