これは、むかしむかしのインドのお話。
クロドリの夫婦が木の茂みに住んでいた。
ある日、にょうぼうが王様にさらわれた。
いかりくるった、てい主のクロドリは、王様にたたかいをいどむため、刀をさし、たてをもち、かぶとをかぶり、たたかいのたいこを作った。
さあ、いざたたかいへ。
たいこをたたいて行進だ。
ランパンパン、ランパンパン、ランパンパンパンパン。
とちゅう、ネコと木の枝、川、アリが仲間になった。
クロドリの耳の中に入って、いっしょに王様の宮殿へいく。
クロドリは王様の前にとおされたが、さて……。
勇気を奮い起こすとき、たたかいに打ち勝ったとき、ランパンパンのたいこの行進は、力強く、軽やかに、鳴り響く。
物語の折々に、ランパンパンが鳴り響く。
このリズム。一度聴いたら忘れない。
インドという国の持つ生命力と、自由な色彩。一度見たら忘れない。
わたしがいつか、勇気を持ちたいと思ったとき、心の中でこのリズムを鳴らそう。
ランパンパン、ランパンパン、ランパンパンパンパン。
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