「子育てに絵本を」― これは、昔からよく言われることですが、 いざ、絵本を探しに図書館や書店へ行ってみても、 その出版数の多さに圧倒され、なかなか選ぶのが難しいのではないでしょうか。
何を、どのような基準で選ぶことが大切なのか ということを知ってさえいれば、 迷うことなく、我が子にぴったりの絵本が見つかるはずです。
この冊子は、目黒区区立東山社会教育館が企画した講座、 『子育てに絵本を』から、 かつて、東京・渋谷にあった「童話屋」に勤められていた向井惇子さんが、 講師としてお話されたものを記録しています。 絵本は、声に乗せてみることで真の力を発揮するということ。 聞き手側にまわることで、さらに、その絵本の本質が見えてくるということ。 向井さんは、さまざまな実践と実体験を通して、 私たちに、 絵本について、そして、子どもについて語ってくれます。
講座のために、向井さんが用意した絵本リストは、100冊。 それはすべて、“良質な絵本が心にもたらしてくれる何か”を持っている 作品なのです。
子どもが赤ちゃんのうちから、 親が我が子に与える食事の内容を気遣うように、また、 絵本の内容も、豊かな心の成長を育むようなものを与えてあげたい―。 本選びを通して、普段の子どもに対する接し方や、日々の生活を、 あらためて見つめ直したくなるような一冊です。
冊子の巻末には、講座で使用された絵本リスト、 “子どもの成長に寄り添った絵本 100冊”が紹介されていますので、 本誌を読まれた方は、ぜひ、リスト内の絵本にも出会っていただきたいです。
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