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書籍名 佐賀のがばいばあちゃん
出版社 徳間書店
著者 島田 洋七
出版年 2004年
税込定価 540円

あ ら す じ

その姿に、「思い」をもらう ─ 。
端的に言い表すなら、がばいばあちゃんはそんな人だ。


   昭和三十三年。
   広島に、母と兄弟とで暮らしていた小学二年の昭弘は
   厳しい戦後を、7人もの子どもを抱えて生き抜いた祖母の元・・・
   佐賀へと一人、送り出された。
   悲しみと寂しさの去来する心を抱え、電車は一路、佐賀駅に。
   着いた先は、闇に包まれた侘しい駅。
   提灯もなく、人もなく、それは心細さに加え、恐怖心まで煽るには充分だった。
   真っ暗な道を先へと進む叔母が立ち止まったそこが、
   昭弘の住むことになる、とんでもないあばら家・・・祖母の家だった。


昭弘は、祖母と共に「先祖代々の明るい貧乏暮らし」を送りはじめるが
新しい地で得た友から、そして先生から
目に見えぬたくさんのものをもらい受け、
中学卒業までの日々を過ごしていく。
その成長を、大いに助けたのが、祖母の毎日の姿や言葉であった。

由緒正しい貧乏暮らしの中には、
腰から磁石をさげての鉄クズ集め、
言葉通り“スーパーマーケット”である川通い、
湯たんぽの水筒転用など、様々な暮らしの知恵があり、工夫がある。
そんなたくさんのエピソードと同時に垣間見るのが
がばいばあちゃんの、心の奥深さ。そしてその向こうにある哀しみと温かさだ。
食べるに事欠く日があり、
金が無いために望むスポーツにも挑ませてやれない現実がある。
それでも、孫にかける言葉には毅さがあり、悲嘆に暮れるような姿は無く、
前へ前へ、と、その生き方と笑顔が、いつも孫の背中を押した。


  
   「ばあちゃん、英語なんかさっぱりわからん」
   「じゃあ、答案用紙に『わたしは日本人です』って書いとけ」

   「漢字も苦手で・・・・・・」
   「『僕はひらがなとカタカナで生きていきます』って書いとけ」

   「歴史も嫌いでなあ」
   「歴史もできんと?『過去にはこだわりません』って書いとけ」



まさに、痛快・豪快の極みである。

しかし、剛毅朴訥仁に近し。
その本質は【思い遣る人】そのもの。
思い遣るとは、【思いを遣う】と書く。
己の中にある思う心を、どれだけ他の存在へ遣うことができるのか。
人は自問自答した時、改めて、このがばい(すごい)ばあちゃんの
人の大きさを知るのであろう。



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