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書籍名 半日村 
出版社 岩崎書店
著者 斎藤隆介・作 滝平二郎・絵
出版年 1980年
税込定価 1,470円

あ ら す じ

 創作昔話の名手、斎藤隆介さんが描く子どもは
芯が強く、いつもひたむきです。

 この作者と画家がコンビを組んだ中で、
最も有名なものといえば、 『モチモチの木』。
 夜中にひとりで小便にも行けないようなまめ太が、
病に倒れた祖父を医者に診てもらおうと、暗い森を
たったひとりで駆け抜けるのですが、
『半日村』にも、そんな芯の強い、ひたむきな少年が登場します。

 舞台は、高くそびえる山のふもとで暮らす、
半日しか日のあたらない村でのおはなし。
 半日しか日が当たらないので、人も花も動物も、
みんなが寒さに震えながらくらす日々。
イネの育ちは悪く、よその村の半分の収穫しかない。
だから、村人はみんなやせて青白く、元気がなかった。
 そんな村に暮らす少年一平は、ある晩、両親の会話を偶然聞いてしまう。

「あァあ、おらたちの村は、なんという村かのう。
あの山さえ なかったらのう」
「だめさ、山は山さ。うごかせやしねえ。
わるい村に うまれたとおもって、あきらめるより しかたがねえさ」

 一平は次の朝、袋をかついで山に登り、てっぺんの土を取ってくると
ふもとの湖に土をあけた。
何度もそれを繰り返す一平を、人々は笑ったが、
一平はただ、こう言うだけだった。

−おらは、あの山を みずうみに うめちまおうと おもってるんだ−

 ひたむきな姿は、やがて人々の心を動かした。
子どもが3にん4にんと、袋をかつぎだし、
大人ももっこを持ち出し、山を登るようになった。
何年も何十年もそれを続けるうち、
やがて山は低くなり、
日の光がニワトリの鳴き声と一緒に顔をだすようになった−。

 自分を信じ、やり遂げたときの喜びが、
ラストシーンのさんさんと照り輝く朝日とかさなって、
感動的な読後感が残ります。
 滝平二郎さんの見事な人物表現、味わい深い表情にも、是非ご注目ください。



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