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書籍名 ハリネズミと金貨
出版社 偕成社
著者 V・オルロフ/原作 田中潔/文 V・オリシヴァング/絵
出版年 2003年
定価 1,400円+税

あ ら す じ

時はもうすぐ真冬を迎える頃……。
ハリネズミのおじいさんは、森の小道で、一枚の金貨を拾いました。
おじいさんは、もうずいぶん年をとっており、
冬の支度にも困っていたところだったので
その金貨で、ささやかな冬支度をさせてもらうことにしました。

まずは、干したキノコを探しに。
でも途中で出会ったリスが、それを分けてくれました。
「せっかくの金貨は、くつをあたらしくしたらどうかしら?」という
リスの言葉もあり、今度はくつを探しに行きます。
でも、途中で出会ったカラスが、ドングリの実に穴を開け、
なんだか楽しそうに、くつを作ってくれました。
さて、あとは何がいるだろうか?そうだ、くつしたも必要だ!
おじいさんは、くつしたを探しますが、なかなか見つかりません。
でも、途中で出会ったクモが、おじいさんの足にピッタリの、
すてきなくつしたをくれました。

干したキノコに、くつに、くつした。
金貨を使う必要のないまま、ぜんぶそろってしまいました。
でもおじいさんは、あと、たったひとつだけ
冬のせきどめに欠かせないはちみつを買うのを忘れていました。

そこへ、息をきらせて駆けてくる子グマの声が、遠くから聞こえてきました。
もうすぐ冬眠を迎える子グマが、お母さんからはちみつをあずかってきたのです!
それと、冬ごもりの前のごあいさつをしに。

陽の落ちた道の暗さに、はちみつ探しをあきらめていたおじいさん。
今度こそ、ほんとうに必要なものがぜんぶそろってしまいました。
たくさんの物といっしょに、リスやクモたち、一人ひとりの温かな心まで受け取って。


その後おじいさんは、冬の眠りから目覚めた子グマも呼んで、
お茶会をひらいたんですって。
森の中の、小さなお茶会。
みんなに「ありがとう」の気持ちを込めて。



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