ほおずきの袋を、ていねいにやぶってみる。 赤く色づいた実が、宝石みたいに、ひとつだけ入っているのが見える。
さて、このほおずきで遊んでみよう。 まずは開いた袋ごと、手の上でくるくると回してみる。 まるで、風車のよう。 今度は、さいた部分を反対にそらせてまとめてみる。 小さな人形みたいになった。 そのすそを少しだけ外側に広げる。 これは、まるでタコみたい。 そうだ!笛あそびもできるって聞いたことがある ― 。
ナス科のこの植物の名を漢字で表すと【鬼灯】と書くそうです。 お盆になると帰ってくる、ご先祖様の提灯代わりになるとも いわれています。 この本では、白い花と共に、やがて色づくみどりの袋をつけたほおずきが、 日が経つにつれて変わっていく姿を描きながら、たくさんの遊びを紹介し、 冬・・・実も落ちて立ち枯れていくものの、また春に地から芽をだして、 力強く生きていく様を、鮮やかな色と緻密な筆で見せてくれる一冊です。 【ほおずき】に焦点を定めた、数少ない本でもあり、 今は絵本雑誌ですが、ハードカバー化を望まれる多くの声があります。 |