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書籍名 夏の庭
出版社 徳間書店
著者 湯本香樹実/作
出版年 2001年
定価 1,400円+税

あ ら す じ

小学校6年生の、最後の夏休み。
あることがきっかけで、
「死」というものに興味を持った3人の少年たちが始めたことは、
近所に住む一人暮らしのおじいさんを“観察”することだった。

人の最期を見てみたい─という、一種不純な動機が引き合わせた出会い。
「余命幾ばくもない」と、近所でうわさされていた孤独な老人が、
少年たちとの交流を通して日を追うごとに元気になっていく姿が、
読み手の心を不思議に和ませる。

「死」を、言葉や頭だけで考えるのではなく、
人と人とのつながりや思い出を通して心で感じる。
多感な子ども時代に、目の当たりに体験したことだからこそ、
少年たちは生と死を深く心に刻み付け、また、「命」の重みを知ることになる。
『夏の庭』は児童文学に大別されるが、
子どものみならず大人にも読んで欲しい作品である。
主人公を通して知る結末は、静かな衝撃となって読み手の胸を打つであろう。



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